10月に入ってからめっきり涼しくなり、最近は秋の肌寒さを感じますね!
さて、皆さんは「秋茄子は嫁に食わすな」という言葉をご存じでしょうか?
会話の中にも時々出てくるこの言葉ですが、その由来は、美味しい秋の茄子を憎い嫁に食わせてはもったいないという姑の嫁いびりの他に、茄子は体を冷やす食べ物であるから、特に女性にとっては身体の冷えは健康に良くないため、食べさせすぎてはいけないという戒めの言葉としても使われているそうです。
季節の変わり目のせいもあってか、このところ女性のメンタル面でのご相談をよくいただきます。急に泣き出してしまったり、イライラが収まらなかったり、あるいは夫婦喧嘩のお悩みなど。
実は、秋分から精神的に不安定になってしまう女性は多く、東洋医学のベースになっている考え方においても、春夏が「陽」の季節だとすれば、秋冬は「陰」の季節。つまり、夏から秋への季節の移り変わりに伴い、気持ちも一緒に沈んでしまう人が多いのです。
秋になっても、夏に食べていたものとそのまま同じ食べ物を採っている人は少なくないですが、収穫の秋に旬のものを食べ、心身共に身体を温めることで、気持ちも「陰」に傾かないようにすることができます。
例えば、冒頭でお話した茄子とは反対に、栗や根菜、蟹などをお召し上がりになると体が温まりやすくなると言われています。
また、秋は乾燥する季節です。それは身体の外だけに限らず、身体の内からも乾燥します。乾燥は菌やウイルスなどの外的要因に対する抵抗力が弱まってしまいます。まさに乾燥の邪気「燥邪」の仕業です。
そのため、秋は肺を潤すものを中心に食べ、乾燥の邪気から身体を守り、冬に備えることも大切です。
下記のような食材が女性にとっては強い味方です。参考にしてみてください!
●津液(身体を潤す水分)をつくる食材(甘酸っぱいものは津液をつくる)
ザクロ、杏、ぶどう、みかん、レモンなど
●肺を潤すもの
落花生、山芋、白きくらげ、黒きくらげ、百合根、梨、銀杏、いちじく、はちみつ、白魚、豚肉、うずらの卵など
●身体に潤いを与えるもの
豆乳、豆腐、黒豆、杏、クコの実、白きくらげ、湯葉、れんこん、黒ごま、牡蠣、鴨肉、豚肉など
<出典>体質・症状別薬膳の実践 テキスト3(東京カルチャーセンター)