体のお悩み

春の養生法

今回は春の養生とツボについてお話していきます。

東洋医学のバイブル黄帝内経素問(こうていだいけいそもん)の中では、「春の三か月を発陳ほっちんといって、すべてのものが発生し、つらなる季節」といっています。この期間には色々なものが発生し、連なって繁栄しようと動き始めます。

続いて、この時期の養生について「人々は夜更かしすることなく床に入り、朝は早く起き出てゆるやかに庭を歩くようにする。肉体的には、髪の毛をほどいて、急激な労働をしたりすることなく、また、精神的には冬の間に深くしまい込んでいた志をおこさせてやり、万事のびのびさせて削ぐことなく、与えて取り上げることなく、褒めても罰することなく、このようにすべてをゆったりとのびのびさせておく」というようにあります。 

春は、現代社会でも新しい生活が始まり意識せずとも緊張する瞬間が多くなる時期です。張りつめることなく、心身をのびやかにして過ごすというのが古典から読み取る春の養生法です 春に紹介したいセルフケアツボ押しとしては、「風池穴」をご紹介します。風池穴は、少し上を向いたとき、背骨から上がって指が止まるくぼみと、耳の下を結んだ中間点にあり、圧すと痛みがあるところです。親指で頭の中心に向かって左右同時に押し上げます。春の病の特徴として頭痛、めまい、花粉による鼻水・鼻づまりといった頭部に症状が現れやすいです。素問にも「春は気が頭に集まっている。その治療穴は頭項部にある」とあります。 

後頭部にある風池穴を指圧することで、頭痛、めまいの改善効果も期待できます。また首の筋肉が緩むことで、自律神経に働き、鼻の血流が改善すると鼻水・鼻づまりにも効果的です。

春の養生とツボ押しで元気にすごしていきましょう。

関連記事