皆様、こんにちは♪富澤です。秋も終わりが近づいています。11月8日は二十四節気のひとつ「立冬」になり、冬の訪れを感じます。
寒くなると血管が収縮して血行が悪くなり、筋肉が硬くなります。筋肉が硬くなることで神経が圧迫され、神経痛が悪化しやすい季節です。
身体の各部は網目のように末梢神経が巡らされています。この末梢神経が圧迫されることや何らかの原因で刺激を受けて生じる痛みを総称して神経痛と呼びます。中でも坐骨神経痛に悩む患者さんは少なくありません。こうした神経痛は、腰の脊髄から出ている神経に由来します。脊髄のまわりは脊柱(脊椎)と呼ばれる骨のトンネルや脊柱の前にある椎間板、脊柱を支える靭帯等からなっていますが、これらが年齢とともに徐々に弱くなることや不良姿勢を繰り返すことにより、神経の通り道が狭くなります。この状態で動くと神経を圧迫し、痛みが生じます。病名としては、腰部脊柱管狭窄症や腰椎椎間板ヘルニア等が挙げられます。また腰部だけではなく、梨状筋と呼ばれる臀部の深いところにある筋肉が硬くなってしまうと、梨状筋の下を通る坐骨神経が圧迫され、痛みを起こすことがあります。これも坐骨神経痛の原因の一つです。
坐骨神経痛は、鍼灸治療で改善すると言われています。腰周囲や臀部、痛みのある下肢周囲の筋肉に鍼をすることで血行の促進や、疲労・痛みの原因物質の排出といった効果があります。さらに寒くなってきた今の時期は、当院で行っている灸頭鍼をするのもおすすめです。灸頭鍼は、鍼の上に丸めたもぐさを付けて行う鍼灸の手法の一種で、鍼と同時にお灸を行うことができます。また通常のお灸と異なり、広範囲に身体を温めることができますので、冷えて血行が悪くなったことが原因の坐骨神経痛に効果的です。
ご自身でできるセルフケアとしては、腰部や臀部をカイロで温めることや湯舟につかるようにしましょう。また長時間同じ姿勢で座ることは腰臀部にとても負担なので、こまめに立ったり歩いたり、軽くストレッチをしましょう。
今回ご紹介するツボは「臀中(でんちゅう)」というツボです。場所は、お尻の中央にある仙骨(せんこつ)と呼ばれる骨から5㎝ほど外側に位置します。梨状筋が硬い方は、このツボを押すと痛みがでます。指で押すのも良いですが、仰向けになってソフトボールなどの大きめのボールで押すのも気持ち良いです。デスクワークの方は、休憩の際にボールを椅子とお尻の間に挟んで、硬くならないようにするのもおすすめです。