鍼とお灸

身体を温めるだけではないお灸

お灸を受けたことがある方は、どれぐらいいらっしゃるのでしょうか?

当院の患者さんでも初めての方は多いですし、興味はあったけどやる機会がなかったという方が大半だと思います。また「悪いことをしたら、お灸をすえるぞ!」なんて昔言われたことがある方は、「お灸は熱くて怖いもの」と思っているかもしれません。以前のお空のイメージはあまり良くはなかったのかもしれません。しかし、ここ10年ほどで『お灸女子』『セルフお灸』という言葉を耳にするようになりました。

きっかけは創業70年を誇る、せんねん灸がとある雑誌を作ったことではないかと思います。そこにはキレイなモデルさんを起用してお灸を行っているという雑誌でした。今までにない、可愛いお灸で、なんだかおしゃれに見えたのを覚えています。

そもそも、お灸とはヨモギの葉っぱの裏側にあるふさふさした所のみ使用したものです。それを艾(もぐさ)と呼びます。その艾を捻り固めたものを肌の上にのせて火をつけて使用するのが『お灸』です。

お灸の効果は下記の通りになります。

  1. 温熱効果 → 熱を感じることにより血管が拡張し血流が良くなります。
  2. 免疫力の向上 → 温熱により皮膚のタンパク質に編成が起こり「ヒストトキシン」という異種タンパク質ができます。これが免疫機能を活発にし、病気に対する抵抗力や免疫力を高めてくれます。
  3. 造血作用 → 酸素の運搬役である赤血球を増やし、血流を良くします。
  4. 止血作用 → 傷口をいち早く塞ぐ血小板の働きを良くし、治癒力を高めます。
  5. 強心作用 → 免疫機能を担当する白血球を増やし、外敵からの防御力を高めます。

このように、お灸は身体を温めるだけではないのです。前回お伝えした鍼と一緒に行うことで、免疫力が上がる、血行が改善、冷え症改善などの効果もあります。

また、お灸をより身近なものにいたいと考えていますので、当院でも、定期的にお灸教室などもしています。ぜひ、『セルフお灸』が出来るようになって頂けると良いと思います。

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